調査の栞 - Japanese ships in recollections
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処女航海でウルグアイのモンテビデオ港に入港した大阪商船の貨客船報國丸 Hokoku Maru (1940)
報國丸
提供:Marina Mercante Uruguaya
商業航海は一度のみ
優秀船舶建造助成施設の適用を受けて建造された大阪商船の貨客船報國丸の太平洋戦争中の行動についてはいくつかの調査・発表がなされ広く知られているが竣工後の昭和15年7月からのアフリカ東岸線への処女航海の詳細に関する記事は少ない。上記新聞記事の写真は処女航海でウルグアイのモンテビデオ港第3(または第4)埠頭に停泊中の報國丸。当時の船長は宮原裕氏。この記事がいつごろ発表されたのかは現在確認中だが同型第3船がKokoku Maruとなっているところが興味深い。
報國丸
提供:Marina Mercante Uruguaya
報國丸船内




特別室「奈良」|特別室寝室











一等食堂|一等喫煙室









舞踏場
報国丸船内 提供:H.Nakamura
2011年12月末と1962年7月現在のわが国の大型船舶比較
わが国の登録船舶のうち日本船舶明細書2012年版(2011.12.30現在)と1962-63年版(1962.7.1現在)に記載されている総トン数順の上位10隻の船舶を下記に示す。何れも大半が油槽船である。
昭和39年(1964)の海運集約から半世紀が過ぎ、大手海運会社は半分の3社となり造船所の統廃合、日本船籍船の減少等により所有者、建造所、船名の変化に時代の流れを感じる方も多いのではないだろうか。
平成23年(2011)12月末
No. 船名 所有者 船種 竣工年月 総トン数 載貨重量 建造所
1 最上川 Mogamigawa 川崎汽船 2011.11 160,229 295,260 今治造船(西条)
2 日章丸 Nissho Maru 香取商船 2004.5 160,123 295,797 IHI MU(呉)
3 SHIZUKISAN 商船三井 2009.4 160,078 306,072 三井造船(千葉)
4 SAKURAGAWA ジャスミン・シップ・ホールディング合同 2009.6 160,068 295,244 川崎造船(坂出)
5 ENEOS TOKYO JX日鉱日石タンカー 2004.7 160,062 296,223 IHI MU(呉)
6 時津丸 Tokitsu Maru 日本郵船 2011.5 159,963 300,659 三菱重工業(長崎)
7 IWATESAN 商船三井 2003.3 159,960 295,246 三井造船(千葉)
8 KAMINESAN 商船三井 2003.7 159,936 295,062 ユニバーサル造船(有明)
9 SETAGAWA 川崎汽船 2009.11 159,936 295,264 IHI MU(呉)
10 TOSA 日本郵船 2008.1進 159,930 297,387 IHI MU(呉)
No.2 出光タンカー定期用船
No.4 川崎汽船定期用船
昭和37年(1962)7月1日
No. 船名 所有者 船種 竣工年月 総トン数 載貨重量 建造所
1 かくたす丸 Cactus Maru 日正汽船 1962.6 30,092 49,837 三菱重工(横浜)
2 東燃丸 Tonen Maru 東燃タンカー 1961.8 29,859 47,460 三井造船(玉野)
3 豪鷲丸 Gohshu Maru ゼネラル海運 油,LPG 1961.10 29,841 46,174 三井造船(玉野)
4 日鵬丸 Nichiho Maru 日産汽船 1962.5 29,578 47,965 日本鋼管(鶴見)
5 鶴邦丸 Kakuho Maru 飯野海運 1960.2 29,408 47,004 飯野重工(舞鶴)
6 東亜丸 Toa Maru 日東商船 1962.4 29,364 47,644 石川島播磨(相生)
7 もんぶらん丸 Mont Blanc Maru 大同海運 1960.7 29,226 47,122 三菱重工(長崎)
8 えべれすと丸 Everest Maru 大同海運 1959.10 29,216 47,025 三菱重工(長崎)
9 東海丸 Tohkai Maru 大協石油 1961.12 29,213 47,263 石川島播磨(相生)
10 大栄丸 Daiei Maru 日東商船 196.1 29,120 47,758 三菱重工業(長崎)
輸出船・進水式
今治造船での進水式。2010.10.12 (撮影:Ayaya)



Nord Yilanの船首

多数の標準型船舶の建造を手がける今治造船。そのシリーズの中では一番小さい28,300重量トン級標準型撒積貨物船の一隻NORD YILAN (Southeast Marine Transport Co.)の進水式風景。同社では「ばら積み運搬船」と称している。




進水式はいつの時代も船の生涯で最も華やかな瞬間。本船も多数の関係者、見学に来た子供たちの祝福を受けて歩み出した。
ベカぶねと航研機のペーパークラフト
ネットでベカぶね(べか舟)のペーパークラフトの写真を載せたブログをいくつか見つけ、しばし見入ってしまった。なかでも一番驚いたのがペーパークラフトの展開図を拡大コピーして実物のべか舟を生徒が製作した小学校があったことである。

このペーパークラフトは東京都の大田区立郷土博物館が発行している。ベカぶね(親、中、小)の3つと大田区にゆかりのある航研機と玉井式日本号という複葉機の2つ、合計5つのセットになっている。

これらのペーパークラフトは2000年5月に同館から依頼されて設計したもので、夏の工作教室の学習材料として企画された。もう9年前のことになるが、担当学芸員のKさんと共に制作したペーパークラフトをなつかしい思い出とともにここで少し紹介したい。




海苔親船の試作船 2000.10.22
ベカぶねをご存知だろうか。ベカ、あるいはテンマともいう一人乗りの海苔作業船である。長さ5m弱、幅1m弱の船体を17分の1スケールにした。さらに小さくすれば、笹舟のようである。ペーパークラフト化のために提供いただいた資料を見て構造、各部の名称、歴史がわかり、この種の船の見方がまるで変わってしまった。ベカぶねは本物の構造に出来る限り忠実に設計した。解説は同館が担当、この教材で船の歴史と構造がわかるというコンセプトだった。

海苔親船は大正末期に大型の木造海苔作業船として登場した船が昭和期に焼玉主機を搭載し、昭和30年代の価格で1隻約20万円だったという。この模型の参考とした同館に保存されている伊藤丸を見学した。ビニールハウスに収納されている船体は腐食がはげしく、虫も這っている。一度、漁船に改造された船を再度、復元したので部材が新しいところもある。造船所は既に無いそうで、技術を持っている人も3人ほどだという。中ベカを加えて3種類を揃えたが、シンプルなベカぶねが一番人気があるようだ。




ベカぶねの組立図



航研機の試作1号機 2000.8.5
航研機の名前は知っていたが、昭和初期にグルグル回って世界記録を作ったヒコーキという程度で、ましてや大田区で製造されたなどは今回初めて知った。特徴ある機体の表現に苦労したが完成した機体を色々な角度から眺めるととてもスマートだと再認識した。



塗装をした試作2号機
実物の航研機の写真を見ると機体は何度か改良が加えられていることがわかる。学芸員のKさんによると、記録達成後は羽田空港の格納庫に放置されていたが戦後、米軍が地中に埋めたとのことである。機体を製造した東京瓦斯電気工業(通称・ガスデン)がその後、数社に分離していく歴史も興味深いものがある。



航研機の組立図
部品は細かく分けると左右対称が難しかったり余計な手間が増えるので可能な限り一体化した。A3サイズの用紙に収まるように配置を検討した結果、1/96スケールまでの大きさとなった。特徴のある主翼の中に桁を入れて主翼の厚みを表現した。



玉井式日本号の試作機
5点セットの最後は、玉井清太郎(1892〜1917)という人が設計した複葉水上機で実際に飛行はしなかったという機体を復元した。印刷用の航空機のペーパークラフト制作は今回が初めてだったこともあり締切までは胃が痛む日々が続いた。

同館が工作教室を開始してから4年後にペーパークラフトの販売を開始することになった。その折、新聞社から電話取材を受けた。あぁ、あの時は…と、設計開始時のことを思い出しながら小一時間あれこれと質問に答えた。記事は「ノリ養殖作業船や昭和初期のプロペラ機 復元 ペーパークラフトで」として掲載された。

このペーパークラフト設計を通してベカぶねと航研機の歴史に触れることができたのは大きな収穫だった。参考とした「大田区の船大工 − 海苔の船を造る −」(平8 同館発行)に掲載されている昭和30年代の海苔船の写真を見るたびに、これは素晴らしい写真だ、と何度も感心したものである。




ペーパークラフトの復元と販売の新聞記事


平成16年(2004)5月11日 読売新聞朝刊


ナッチャンWorld
今年は函館開港、横浜開港がともに150周年を迎える。



2009.3.7 横浜港・大さん橋
大さん橋を出航するナッチャンWorld。土曜日とあって散策中の家族連れや船ファンたちのさかんな見送りを受けていた。みなとみらい地区に林立するビル群や船の姿、船の数に時の流れを感じずにはいられない。大さん橋の様子はWebカメラで確認することができる。


調査の栞
2008年、調査の栞を再開。
鹿島丸
鹿島丸 Kashima Maru

茨城県立海洋高等学校の練習船

2005.5.6 - O.Sakai

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