北米航路 - 大正期 戻る

香港シアトル線 日本郵船(株) 明29.8.1(1896)開設大正期昭16.7.17(1941)休航昭26.10(1951)再開昭35.10.5(1960)終航
第1次世界大戦の影響による英独船の撤退と荷動き増加等により命令航路終点をシアトルからタコマへ延長し,自由航路では大正5年(1916)6月までに配船数を5隻に増やし,神戸・シアトル線を新設した.
1914.12.29(大3)大阪商船のタコマ線と共にピューゼットサウンド線として補助共同受命
1917.3.6(大6)四日市はペスト病関係上名古屋に変更[港]{往航}香港/上海/神戸{復航}四日市/横濱/ビクトリア/シアトル(沙市)(製茶季節中往航基隆,清水寄港)[船]靜岡丸,鎌倉丸,佐渡丸,阿波丸,因幡丸,横濱丸,丹波丸

靜岡丸 Shidzuoka Maru (1912)
1924.11(大13)新造ディーゼル貨物船飛鳥丸,愛宕丸就航[船]飛鳥丸,愛宕丸

愛宕丸 Atago Maru (1924)
1926.4(大15)逓信省命令航路.郵便定期航路神戸シヤトル線.[港]神戸/横濱/ビクトリア(バンクーバー)/シアトル[航]2週1回以上(年26回以上)[船]富山丸,常磐丸,靜岡丸,加賀丸,伊豫丸[命]1926.4(大15)~1929.3(昭4)
東航紐育線 日本郵船(株) 大5(1916)開設昭和初期-太平洋戦争-戦後占領期
大正3年(1914)パナマ運河の開通によりパナマ運河経由紐育航路が開設された.
1916.6.21(大5)横濱出航の對馬丸を第1船として開始[港]日本諸港のほか比島,香港,上海,桑港[航]4週1回[船]對馬丸,他5隻

對馬丸 Tsushima Maru (1915)
1917.3.6(大6)[港]{往航}神戸/横濱/サンフランシスコ(桑港)/パナマ(巴奈馬)/コロン/ニューヨーク(紐育)(マニラ,香港){復航}随時東洋各地寄港(パナマ経由室蘭,ウラジオストック)[船]神奈川丸,若狹丸,古倫母丸,津山丸,對馬丸,豐岡丸,常磐丸
桑港線 日本郵船(株) 大15.3.10(1926)継承昭和初期-昭16.7.18(1941)休止
東洋汽船からの継承となる逓信省命令航路.
1926.3.10(大15)東洋汽船から継承[港]{東廻}横濱/ホノルル/桑港{西廻}横濱/神戸/長崎/上海/香港[船]天洋丸,春洋丸,大洋丸[補]616,379円/年(大15)

春洋丸 Shinyo Maru (1911)
桑港航路 東洋汽船(株) 明31.12.15(1898)開設大15.3.10(1926)以降日本郵船が継承
大正4年(1915),米国で海員の保護,不熟練乗員の乗り組防止,海上の生命安全を目的としたラフォレット海員法が施行された.Pacific Mail社はこの影響で船費がかさんで赤字運航となり,KOREASHIBERIAをAtlantic Transport社へ売却した.東洋汽船はこの時期に地洋丸を海難喪失したため,ただちに保険金及び増資により,この2隻を購入してこれや丸,さいべりや丸と命名し,引き続き北米線へ就航させた.
1913.7(大2)中旬より香港丸就航[船]天洋丸,地洋丸,春洋丸,日本丸,香港丸[往荷]生糸,花筵,雑貨[復荷]綿花,小麦,麦粉機械類
1914.6.23(大3)香港丸を大阪商船へ売却
1915.7(大4)波斯丸購入.桑港航路に就航[船]天洋丸,地洋丸,春洋丸,日本丸,波斯丸
1916.3.31(大5)地洋丸,担杆島北東端で座礁,後に解体[船]天洋丸,春洋丸,日本丸,波斯丸
1916.10(大5)これや丸就航[船]天洋丸,春洋丸,日本丸,波斯丸,これや丸
1916.11(大5)さいべりや丸就航[船]天洋丸,春洋丸,日本丸,波斯丸,これや丸,さいべりや丸

さいべりや丸 Shiberia Maru (1901)
1918(大7)波斯丸第1次世界大戦により対米提供船となる
1919.2.1(大8)対米提供船となっていた波斯丸が復帰,就航[船]天洋丸,春洋丸,日本丸,これや丸,さいべりや丸,波斯丸
1919.12(大8)日本丸を海外売却[船]天洋丸,春洋丸,これや丸,さいべりや丸,波斯丸
1921.5.27(大10)第1次世界大戦の賠償船で運航委託となった大洋丸,香港発で就航[船]天洋丸,春洋丸,これや丸,さいべりや丸,波斯丸,大洋丸

大洋丸 Taiyo Maru (1911) Y.Masuyama
1924(大13)上期からこれや丸,さいべりや丸をロサンゼルスに定期寄港
  西廻[港]横濱/神戸/長崎/上海/香港[船]天洋丸,春洋丸,大洋丸[命]1924.1(大13)~1926.12(大15)[補]大正15年度 616,379円
北米航路・タコマ線 大阪商船(株) 明42.7.3(1909)香港タコマ線大4.9(1915)タコマ線-大7.6.1(1918)北米線-
大9.2.17(1920)ピューゼットサウンド線昭6.7(1931)廃止
明治42年(1909)に開設された香港タコマ線をタコマ線と改称.新造船まにら丸,はわい丸が就航.両船の就航に伴いぱなま丸,しあとる丸を桑港線に転配した.大正7年(1918)6月には就航船2隻をシンガポール(新嘉坡)まで延航し新嘉坡タコマ線(月1回)とも称した[資3715].
1914.12.29(大3)日本郵船の香港シアトル線と共にピューゼットサウンド線として補助共同受命
1915.9.23(大4)桑港線開始のためタコマ線と改称.新造船はわい丸(7/27竣工),まにら丸(9/4竣工)が就航し命令船4隻,自由船2隻[航]年26回[船]まにら丸,はわい丸,しかご丸,かなだ丸(以上命令船),たこま丸,めきしこ丸

めきしこ丸 Mexico Maru (1910)

まにら丸 Manila Maru (1915)
1917(大6)大正6年(1917)から大正8年(1919)まで臨時船26隻就航.主な臨時船は次の通り[船]せれべす丸,ぼるねお丸,すまとら丸,びるま丸,印度丸,御月丸(用),井手丸(用),稲穂丸(用)
1918.2.28(大7)あふりか丸完工
1918.4.30(大7)あらびあ丸完工
1918.6.1(大7)北米線と改称.就航船6隻中2隻をシンガポールに延航し基隆,清水に定期寄港[港]香港/マニラ/上海/基隆/長崎/門司/神戸/四日市/清水/横濱/ビクトリア/シアトル/タコマ[船]あふりか丸,あらびあ丸,まにら丸,しかご丸,めきしこ丸,かなだ丸[片賃]新嘉坡/タコマ(1等422・00,3等70ドル00)
1918(大7)臨時船31隻
1919.12(大8)大阪商船の補助金辞退を逓信省容認
1919(大8)臨時船14隻.清水,基隆は製茶時期に寄港
1920.4(大9)自由航路となる
1920.6.20(大9)ありぞな丸完工[船]まにら丸,はわい丸,ありぞな丸
1920.9.4(大9)あらばま丸完工[船]まにら丸,はわい丸,ありぞな丸,あらばま丸
1921.12(大10)以降,大連に定期寄港[港]香港/マニラ/上海/大連/長崎/門司/神戸/四日市/横濱/ビクトリア/シアトル/タコマ
1921(大10)下半期以降,バンクーバー定期寄港[港]香港/マニラ/上海/大連/長崎/門司/神戸/四日市/横濱/ビクトリア/バンクーバー/シアトル/タコマ
1923.8(大12)大連寄港中止[港]香港/マニラ/上海/長崎/門司/神戸/四日市/横濱/ビクトリア/バンクーバー/シアトル/タコマ
1925.4(大14)以降,はわい丸,まにら丸に代わりぱりい丸,ろんどん丸就航.起点を上海,年間30航海に変更[航]年30回[船]ぱりい丸,ろんどん丸
1926.12(大15)以降,タコマ延長を廃止しシアトルを終点.シアトル停泊中にバンクーバーへ回航[港]香港/マニラ/上海/長崎/門司/神戸/四日市/横濱/ビクトリア/バンクーバー/シアトル
北米航路・桑港線 大阪商船(株) 大4.10(1915)開設-大6.6(1917)廃止
大正4年(1915)11月に米国でラフォレット海員法(La Follete Act)が議会を通過すると多数の中国人船員を使用していたパシフィック・メイル社(Pacific Mail Steamship Co.)は桑港航路から撤退し,わが国の対米貿易に支障を来したため大阪商船では新たに門司起点の桑港線を開設した.しかし存続期間は短く大正6年(1917)6月には廃航となった.
1915.10.4(大4)第1船ぱなま丸就航(神戸発)[港]{往航}門司/神戸/四日市/横濱/ホノルル/桑港{復航}桑港/横濱/神戸/門司[航]月1回[船]ぱなま丸,しあとる丸

ぱなま丸 Panama Maru (1910)
1916(大5)上半期より起点を神戸に変更
北米航路・紐育線 大阪商船(株) 大9.2.17(1920)紐育線昭6.8(1931)廃止
大正9年(1920)2月17日,シンガポール出航のへいぐ丸を第1船として開始.本航路は紐育急航線開始後,昭和6年(1931)8月,内地帰着したへいぐ丸を最終船として休航.
1920.2.17(大9)[港]{往航}シンガポール(新嘉坡)/香港/上海/青島/門司/神戸/横濱/桑港/バルボア/クリストバル/ハバナ{復航}クリストバル/バルボア/桑港/横濱/神戸/門司/上海[航]月1回[船]へいぐ丸,ほのるる丸,あむうる丸,あまぞん丸,あるたい丸,あらすか丸,すまとら丸

あむうる丸 Amur Maru (1919)
1920.7(大9)爪哇に延航[港]{往航}マニラ(馬尼剌)/香港/上海/門司/神戸/四日市/横濱/桑港/バルボア/クリストバル{復航}クリストバル/バルボア/桑港/横濱/神戸/門司/上海/マニラ/新嘉坡
1921.3(大10)以降,往航門司寄港を省略し大連寄港開始
1922.9(大11)新嘉坡止めとし復航に香港を追加
1923.7(大12)以降,香港止めに変更[港]{往航}上海/大連/太沽/神戸/四日市/横濱/桑港/バルボア/クリストバル(清水,小樽){復航}クリストバル/バルボア/桑港/横濱/神戸/門司/上海
1924.1(大13)以降,基隆寄港開始
1924.8(大13)以降,羅府寄港開始
1924.9(大13)以降,8隻を配船[船]へいぐ丸,あらすか丸,はあぶる丸,はばな丸,春光丸,はんぶるぐ丸,あとらす丸,あるぐん丸

春光丸 Shunko Maru (1919) S.Kizu
1925.11(大14)起点を上海とした
北米航路・香港新王倫線 大阪商船(株) 大8.6(1919)開設-大9.7.1(1920)甲谷陀新王倫線-大11.12(1922)休止
米国東南部,キューバとの直通連絡する目的で大正8年(1919)6月に開設され,また当時増大しつつあったガルフ地方から東洋向け貨物の積取に努めた.業績不振により大正11年(1922)12月下旬に休止となった.
1919.6.17(大8)第1船ぱなま丸,香港出航[港]{往航}門司/神戸/横濱/タコマ/バルボア/クリストバル/サンチャゴ/シエンフエゴス/ハバナ{復航}クリストバル/バルボア/タコマ/横濱/神戸/門司/(新嘉坡)[航]月1回[船]ぱなま丸,他2隻
1920.7.1(大9)甲谷陀発のせれべす丸より起点を甲谷陀に変更し甲谷陀新王倫線と改称[港]{往航}新嘉坡/香港/長崎/神戸/横濱/桑港/バルボア/クリストバル/ハバナ{復航}クリストバル/バルボア/桑港/横濱/神戸/長崎/新嘉坡[船]せれべす丸,ぼるねお丸,すまとら丸

ぼるねお丸 Borneo Maru (1917)
北米航路 三井物産(株)船舶部 大9.1(1920)開設昭和初期
第1次世界大戦後,三井物産は北米太平洋岸/東洋の取扱荷の増加に伴う定期航路開設の要望が起きたため社内荷を基礎とした北米定期航路を開設した.本航路は同社船舶部の初の定期航路であり剣山丸を第1船として3-4隻を配船した.寄港地は大連/神戸/横濱/シアトルを原則とした.
1912.7.30(大1)以降[港]バンクーバー(晩香坡)[船]萬田山丸,金華山丸,天拝山丸[往荷]台湾砂糖
1912.9(大1)同社不定期第1船[港]桑港[船]剣山丸[往荷]北海道木材[復荷]ポートランド小麦

剣山丸 Tsurugisan Maru (1899)
北米東岸・ガルフ/日本航路 Kライン 大11.1(1922)開設昭5.1(1930)川崎汽船同盟脱退
北米大西洋岸方面長期配船からの帰還船のために開設.第1次世界大戦後不況下で米国船社の採算を度外視した低運賃の配船により運賃同盟が維持できなかったが次第に採算本位に移行したことにより大正11年(1922)1月にニューヨーク/極東同盟が新たに結成された.月1回の配船数であったが臨時船が適宜投入され年間平均18隻が配船された.
1922.1(大11)新たに結成された同盟に加入,國際汽船の八重丸を第1船として定期航路を開始.同月内に川崎汽船喜福丸就航[港]ニューヨーク(紐育)/フィラデルフィア(費府)/ボルチモア/ノーフォーク/タンパ/ニューオーリンズ(新王倫)/ガルベストン/ヒューストン/パナマ(巴奈馬)/横濱/神戸[航]1ヶ月1回[船]八重丸,喜福丸[復荷]綿花,燐鉱石,スクラップ(以上ガルフ),雑貨,自動車,機械類,鉄物.ポートランド,シアトル方面で木材,穀物

八重丸 Yaye Maru (1919)
神戸/シアトル/桑港線 太洋海運(株) 大6.8(1917)開設-昭和初期
太洋海運設立後の最初の遠洋定期航路.荷主は三井物産,増田貿易等.
1917.8.10(大6)第1船興安丸就航[港]神戸/横濱/シアトル/桑港[船]興安丸(用)

興安丸 Koan Maru (1899)
1917.8.30(大6)第2船明天丸就航.以降順次増配[船]明天丸(用),夕張丸(用),広通丸(用),明天丸(用)
1917.11(大6)日本/シアトル(1~2回/月),日本/桑港(1回/月)配船
シンガポール/北米航路 太洋海運(株) 大6.11(1917)開設-昭和初期
シンガポールに集積した貨物を北米に輸送.
1917.11(大6)第1船広通丸就航[航]1ヶ月1回[船]広通丸(用)[往荷]ゴム,錫,コプラ,タピオカ
1917.12(大6)第2船富浦丸就航.続いて神國丸を配船[船]富浦丸(用),神國丸(用)

富浦丸 Tomiura Maru (1918)
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